案ずるより産むが易し――心配ばかりしてしまう自分へ

心を整える時間

「明日の打ち合わせ、うまくいくかな…」「質問されたらどうしよう」「あの人の反応が怖いなあ」
夜、布団に入って目を閉じると、そんな考えが次から次へと浮かんできてしまいます。

わたしは昔から、よく“考えすぎてしまう”タイプでした。
特に仕事のことで何か控えていると、その前日にはたいてい不安が頭を占めて、眠れないこともあります。

でも、いざ当日を迎えてみると――
あれほど悩んでいたのが嘘のように、すんなり終わってしまうことが、案外多いんですよね。

そんなとき、ふと浮かぶのが
「案ずるより産むが易し」ということわざです。

心配している時間が、一番つらい

このことわざは、「物事は実際にやってみると、思っていたよりも簡単にできるものだ」という意味。
“あれこれ案じているとき”こそが、実は一番しんどかったりするんですよね。

たとえば、仕事でプレゼンを任されたとき。
準備をしていても、「緊張して頭が真っ白になったらどうしよう」「質問に答えられなかったら恥ずかしい」なんて、失敗するイメージばかりが頭に浮かぶ。
でも実際は、相手がとても温かく聞いてくれたり、思ったよりも落ち着いて話せたり。
「なんとかなるもんだなあ」と、後で自分をちょっとだけ褒めたくなることも。

“産む”という表現にこめられたやさしさ

「案ずるより産むが易し」という言葉には、“産む”という柔らかい表現が使われています。
これは、ただ“やるより簡単”という意味だけではなく、
「自分の中にある不安や想像」を「行動という形で外に出す」という、どこか母性的なニュアンスも感じます。

痛みや怖さを想像していたけれど、いざ産んでみれば、
その瞬間にはそれらを超える「納得感」や「安堵」がある――
そんな意味合いがある気がするのです。

心配性な自分とうまく付き合う

もちろん、心配性な自分を否定したいわけではありません。
むしろ、準備や想像ができるというのは、自分の大切な力でもあります。ただ、“案ずる”ことだけに飲み込まれてしまわないように。
「やってみたら、案外なんとかなるかもしれないよ」と、
もうひとりの自分が声をかけてくれるような――
そんな気持ちでいたいな、と思うのです。

おわりに

何か新しいことを始めるとき、未知のことに挑戦するとき、
不安になるのはきっと、真剣に向き合っている証拠。

だけど、何度も経験してきたはず。
「やってみたら、思ったよりずっとスムーズだった」ということを。

心配性の自分に、
今日はそっとこの言葉を贈ります。

案ずるより産むが易し。
大丈夫。きっと、ちゃんと進める。なんでもない!なんくるないさ~。

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